BASについて

私たちアイ・ビー・エスは、パナソニックグループの一員として建物の一元管理を行うシステム「BAS」の施工・メンテナンス・設計・開発を行う会社です。

BAS (Building Automation System) とは

照明・空調・防災・防犯・エレベータといった、建物を運営管理する上で必要不可欠なビル設備。この各設備を総合的に制御・監視を行う事の出来るシステムがBASです。
OAや情報通信を含め各システムを連携させることにより建物全体をコントロールし「快適」「省エネ」「安心・安全」を提供するシステムです。

BASの種類について

BASには用途に応じて様々な種類があります。火災による熱や煙を感知し知らせる動火災報知システム、建物への侵入者を検知したり入退室を管理するセキュリティシステム、こういったシステムは一般的にも認知度が高いものではないでしょうか。

他に照明制御システム、エレベーター監視システム、監視カメラのシステムとしてITVシステム、構内電話などインターホンシステム、近年では太陽光発電の管理システムや排CO2の管理システムなども増えてきました。
温度や湿度を快適に保つ空調制御システムというものもあります。

そして、この各システムや設備を総合的に監視する中央監視システムがあります。
当社では中央監視システムをメインにBASの総合技術に携わっており、照明制御システムや空調制御システム、セキュリティシステム、ITVシステムなどを手がけております。
割合としては、中央監視50%、照明制御30%、セキュリティシステム10%、空調制御等が10%となっております。

中央監視システムとは

一言で表すと「ビル設備の情報を一元管理するシステム」です。
ただ、”監視システム”といっても単に現状を監視する機能だけではなく、発停(ON/OFF)や制御も行うシステムになります。

では、どのような設備の監視や発停を行うのか?
例としてはこのようなものがあります。

【電力設備監視】
配電システムの監視として、各遮断器の状態や電圧・電流・電力の監視。
漏電や過負荷などの配電設備の異常監視など
【空調設備監視】
室温や湿度の監視、空調機やエアコンの発停や状態監視、フィルターの目詰まり、結露状況
駐車場のCO濃度、外気の温度や湿度など
【衛生設備監視】
受水槽や排水槽の水量監視、揚水ポンプや排水ポンプの状態監視、ポンプの運転回数の積算、
給湯温度の監視、給湯器の異常監視など

他にも挙げればキリがないほど、ビル設備のあらゆる全てを監視する、監督や司令塔のような役割がこの中央監視システムです。

照明制御システム

当初、照明制御システムは『レイアウトフリー』というのが最大の目的でした。
これは、「事務所のレイアウトを変更する度に照明の電気工事をしなくても、照明器具とスイッチの組合せを変えられる」というものでした。しかし最近では、レイアウトフリーは当然とした上、目的が大きく4つ加えられるようになりました。
それは、①消し忘れ防止 ②自動点滅 ③照度による「省エネ」 ④景観の演出です。

「消し忘れ防止」
オフィスビルで最終退出者が施錠することで自動的に照明を消灯する機能です。

「自動点滅」
例えばトイレに入ると自動で照明が点灯し、退室してしばらくすると消灯する機能のことです。

「省エネ」
室内の適切な明るさを100と考えると、外光による自然な明るさ+照明の発光による明るさ=100となります。昼と夜では自然な明るさが異なりますので、照明器具の必要な発光度が変わってきます。天候や季節、室内でも外光の位置によって差がありますので、照明器具の発光度合いを調整しているのです。このように環境照度に合わせ照明器具の発光を抑制することで『省エネ』を行いますが、この時その場所に滞在する人が、「急に暗くなった」と感じないよう緩やかに抑制を行うことが必要になります。

「景観の演出」
例えば、建物の壁面や樹木のライトアップであったり、エントランスのオブジェの照明などを、光の強弱や色合いを変える(調色)によって演出するものです。

 

主には、こういった目的で使用されているのが照明制御システムになりますが、これらの目的以外でも照明制御システムは多くの建物に導入されており、体育館や競技場などでは競技に合わせた点灯パターンへの切替を目的として導入されたりもします

セキュリティシステム

セキュリティシステムの目的は大きく2つに分けられます。
一つは入退室の制限や管理、もう一つは防犯としての監視です。

入退室の”制限”とは、セキュリティカードにより施解錠できる出入口を制限することです。
「一般社員には社長室の施解錠を行えないようにする」
「女性のみが女子更衣室へ入室できるようにする」
「事務室へ21時以降に入るにはセキュリティカードが必要」といった制限をかけることがこのシステムで可能になります。また入退室の”管理”というのは、上記のようなシステムにおいて『誰がいつ入室し、退室したか』を管理することを指します。


防犯としての監視とは、単純に侵入検知のことです。24時間警戒エリアも稀にありますが、基本的には入退室制限との連携となり、制限対象となる人・時間・場所の侵入があった場合に報知するシステムになります。

空調自動制御システム

その名の通り、空調を自動で制御しているシステムになります。
「空調を制御」とは、「温度・湿度・気圧・清浄度を適正に保つための制御」を意味します。

実際には、バルブやダンパの開度制御とモーターの回転数の制御を行います。
例えば夏場に室温を下げたいときには
①冷水バルブを開ける
②送風ダクトのダンパを開ける
③送風機のモーターの回転数を上げる
この3通りの方法がありますが、それぞれをバランスよく行わないと結露や室内気圧の異常などのトラブルを招くことになってしまいます。

ほんの一例ですが、こういったことを上手く機能させるのがこのシステムです。
「中央監視システムを人間の脳だとすると、自律神経のようなもの」と比喩されることもあります。